【maimai】押しスライド概論

この記事は B4UT Advent Calendar 2020 12/1 に登録されています。

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はじめに

 東大音ゲーサークルB4UT 2020年度代表のじょーどです。

 この記事は今年の五月祭で頒布される予定であった部誌のために書き下ろした原稿を再構成したものです。

 交流戦をはじめとした多くのイベントが中止または延期を余儀なくされる中、Advent Calendarという企画が例年と変わりなく開催されたことを喜ばしく思っています。

 是非最終日までお付き合いください。

 

 

 

 

スライドの記法

 非公式シミュレーションソフト「3simai」での記法に則り、記事中ではスライドを3文字で略記します*1

 詳説はwikiに譲りますが、いくつか例を挙げてみるのでこれを参考にしつつフィーリングで読み進めてください。

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(始点の番号)(形を表す記号)(終点の番号)の3文字で記述する

仕様の概説

 昨年7月まで稼働していた旧筐体*2の画面には17個のセンサーが配置されていました。

 『maimaiでらっくす』以降の現行筐体ではいくつかセンサーが追加されていますが、追加されたセンサーはスライドの判定に使用されていません*3

 煩雑さを避けるために、記事中では旧筐体の画像を使用します。

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旧筐体のセンサー配置

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現行筐体のセンサー配置。D,Eセンサーが追加され、Cセンサーが分割されている*4

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1-4

 上図のスライド1-4はA1、B2、B3、A4の4つのセンサーを通過しています。

 通過するセンサーを順番にタッチすることでスライドは消えていきます。順番は守る必要がありますが一つ飛ばしまでならOKです*5

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一つ飛ばしまでは許されるが二つ連続で飛ばすことは出来ない

 この仕様を利用し、センサーをなぞるのではなく手のひらで押さえることでスライドを処理するテクニックを押しスライドと呼びます。

廻る廻る季節の中で

 下図は『CYCLES(MAS)』に登場する配置です。^pを交互に繰り返すことで、ハンドル操作のような動きを実現しています。

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当記事では外周側を緑色で描画する

 両手が常に点対称の位置にあるため、よほど視野の広い人でなければ片手が視界から外れます。これが原因で

5p1の終点がA1に届いていない

・↑を恐れて手を大きく広げた結果、うっかりA3やA4に触れて1^4誤爆する

などのミスが誘発され、大きな失点を招きます。

 それに加えて5p1の終点であるA1センサーには星TAPが配置されているため、スライドのタイミングが悪いとTAPを巻き込んでしまいます*6

 そこで、センサーをまとめて押すことで操作を簡略化するという対策が有効になります。各スライドが通過するセンサーは

スライド センサー
1^4 A1,A2,A3,A4
5p1 A5,B4,B3,B2,A1

であることを踏まえると、以下の運指が考えられます。

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この領域を下図のタイミングでべちゃっと押す

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サビ冒頭の概念図*7

 一つ飛ばしまでは許されるという性質上、多少の押し損ないは問題になりません*8

 むしろ押してはいけないセンサーに触れないことを意識しましょう。例えば左下のXを押す際に誤ってA4に触れてしまうと、その瞬間に1^4が反応してしまう可能性があります。

 要はX→Y→Xの順にセンサーを反応させれば良いのですが、具体的な手順は

・右手で画面上半分を担当し、8分間隔で押す

・右手で画面右半分を担当し、8分間隔で押す

・右手で右上のXを押したのち、手を広げたまま左上のYまで滑らせる

など様々な方法が考えられます。これらは好みの問題に過ぎないので、色々試してしっくりきた運指を採用してください。

実際にやってみよう

 とりあえずCYCLESを選曲して前節の運指を試してみましょう。

 最初にするべきことは「オプション→デザイン設定→判定ラインデザイン」と進んで「センサー」という項目を選択することです。これを設定するとプレイ中にセンサーの境界が表示されます。

 練習中は「オプション→ゲーム設定→リアクションエフェクト」をONに切り替えても良いかもしれません。これをONにすると、センサーに触れたときに弾けるようなエフェクトが表示されます*9

 実はhttps://maimaidx.jp/maimai-mobile/でもオプションを変更できるので、今すぐにログインして画面右上の歯車マークをクリックしましょう

他の曲も攻略したい

 通過するセンサーはスライドの形によって異なるので、譜面ごとに運指を考え直す必要があります。

 しかし領域XとYを意識することは他の曲でも有効だったりするので、いくつか検討してみたいと思います。

君と僕の選ぶ世界

 この記事は3月*10に13のSSS+ローラーを行った際Selectorがラスト4曲まで残ったことをきっかけに執筆されています。

 押しスライドを前提とすれば、当時の13の中で特段難しい部類ではありません。習得して武器曲にしたいところです。

nico.ms

1:14~

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勝つのは人かマシーンか

 CYCLESと見比べてみましょう。外周を延長しただけじゃないかと思われるかも知れませんが、外周が延長されると赤と緑の終点が一致するので難易度が跳ね上がります

 触れてはいけないセンサーを回避するのが難しいので、押しスライドを使って安定性を上げるのが良さそうです。

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領域X,Yを表示

 いずれも「X→Y→X」の順に押せば消すことが出来ます。

 これらを連続で処理すれば良いので、8分間隔でX→Y→X→Y→Xと押しましょう。最後に残ったスライドは普通になぞれば良いです。

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概念図

1:53~

 CYCLESと全く同じなので省略します。

1:59~

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赤→緑→赤→…→赤の順

 細かい説明は省略しますが、以下のように押すと光ります。

スライド 消し方
1v4 X→Y
5^2 X→Y→X
1v4 X→Y
5^2 X→Y→X
1q5 X→Y→X
5^2 X→Y→X
1q6 普通になぞる

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今世紀最も馬鹿馬鹿しい画像

We need to save this world.

nico.ms

 なんとSplash稼働時にMASTERと表記レベルが逆転しました*11。譜面傾向が異なるので比較し辛いですが、個人的にはRe:MASTERの方が難しいと思います。

1:41~

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左から三番目が曲者
スライド 消し方
1q5 X→Y→X
5^2 X→Y→X
1v4 X→Y
5V38 普通になぞる

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こんな歌詞だったのか

 Yを注視するのがコツだと思います。

 サビの後半にはこれを45°傾けたものが配置されています。体ごと傾けてしまうのが良いでしょう。

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このゲーム傾けるだけですぐ難しくなる

黒板のこの漢字が読めますか

nico.ms

 史上初のRe:MASTER譜面であることと*12、ノーツ数がMASTER譜面と同じであることを知っているとクイズで活躍出来ます。

おいどうすんだよ

・難所のCYCLES地帯がやけに長い(約20秒)

・曲線と直線が混在しているので巻き込みやすい/対策を覚えにくい

・譜面が45°傾いているだけで人は死ぬ

 この曲でこの運指を成功させるのは結構難しいのであまりおすすめできませんが、一応紹介します。

1:56~

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画像編集の都合で譜面にミラーがかかっている
スライド 消し方
1q5 X→Y→X
5^2 Y→X
1-4 X→Y
5-2 Y→X
1q5 X→Y→X
5^2 Y→X

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この画像のファイル名は「ロストワンの号哭歌詞.png」である

 細かく検討すると多少間違ったタイミングでスライドを消していますが*13、判定が甘いのでこの運指でも光ります*14

 正攻法では凶悪な配置ですが、押しスライドを使えばCYCLESと変わりません。簡単ですね。

じゃあ傾けてみましょうか

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生意気言ってすみませんでした

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やることは同じ

 素直に画面全体を傾けます。これだけでかなり押し辛くなりますが我慢します。

 直線が混ざっているせいで運指の選択肢が狭まっているのですが、mai-Starは絶対そんなこと考えてなかったと思います。

 正直正攻法を練習した方が早いかもしれません。

実は

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あら簡単

 実は4セット目だけ直線が混ざっていません。

 14に挑む実力帯であれば正攻法で十分に安定すると思います。

おわりに

 押しスライドの最大の利点は、操作が単純であるため再現性が高いことです。

 この特性は挑戦段階よりもむしろ一つのミスも許されない状況、すなわちAPを狙う段階において威力を発揮すると思います。

 もちろん一発勝負の大会などでも強い味方になるでしょう。運指の選択肢の一つとしてご一考ください。

*1:実は4文字必要なものもある

*2:厳密には2019年9月までオンラインサービスを継続していた

*3:厳密には嘘で、実は扇型の判定には使用されている。また旧来のセンサーの形状も多少変更されたため、他のスライドの操作感にも間接的に影響を与えている

*4:分割されたことで何が変わったのかは不明

*5:例外的に「直線型のスライドのうち最も短いもの(1-3)」の中点は飛ばせない仕様になっている。この仕様はPiNKの稼働と同時に追加されたとされる

*6:5p1を速くなぞれば解決しそうに思われるが、「手を外周にぶつけるほど勢いよくスライドした結果、手が画面から一瞬離れA1センサーが二回反応する」といった原理で巻き込みが発生するケースも多い。逆説的だが1p5/5p1をゆっくりとなぞることで改善する場合もある

*7:1p5は(おそらく)16分音符1つ分の時間をかけてA1からA5まで移動する。この運指は1p5が動き始めた瞬間にこれを消しているので、16分音符1つ分弱(およそ0.1秒)早く処理していることになる。SLIDEの判定はかなり甘く、これが早GREATの原因になることは稀。ちなみに16分音符1つ分ピッタリではなくであるのは、☆マークの中心が終点のセンサーに突入した瞬間に終点を触るのがベストタイミングであると定義されているため

*8:特にB1とB5を押す意味は全くない

*9:画面がやかましくなるので普段はOFFにした方が良い

*10:でらっくすPLUS稼働中

*11:MASTER 12+ / Re:MASTER 12

*12:Bad Apple!! feat nomicoと同時

*13:8分音符1つ分くらい。多少どころではない

*14:正確なタイミングで押せば光る。8分音符1つ分誤魔化しているのでややシビア